むらさき色とグレー

ノンセクシャルの灰色なアイデンティティをいろいろ考えてみる

漫画「私の少年」を読んで結構アセクノンセクっぽい要素があって驚いた話※ネタバレ注意

皆さんお久しぶりです、そふぃです。

ここ1年ほど、仕事や生活にかかりきりで自分のセクシュアリティについて考える機会も少なくなり、すっかり更新が滞ってしまいました。

 

近況の報告をすると、パートナーシップの方は前回ブログに書いた人と続いていて、1年近く前に一緒に暮らし始めました。(ずっと犬を飼いたくて、そしたら人手があった方が良いよなあ・・・というのが実は一番の動機だったりする苦笑)

また、仕事で精神的に体調を崩しかけて転職したこともあり、かなりバタバタしていました。(労働環境がめちゃくちゃ改善されたので転職して本当よかったです。ブラック企業ダメ・・・そして在宅って個人的に超素晴らしい・・・)

 

そんな中、たまたま手に取って読んでいた漫画「私の少年」(全9巻)が、年の差恋愛漫画かと思っていたんですがそうではなく、後半が結構アセクノンセクっぽい描写が多くてびっくりした、ということと、恋愛の枠に収まらない関係性にめちゃくちゃ感動したので、備忘録も兼ねて紹介したいと思います。

 

※以下、ネタバレになるため未読の方はご注意ください。

 

かなり大ざっぱなあらすじ👇

 

30歳のOL多和田聡子はある夜の公園で、サッカーの練習をしている謎の12歳の美少年、早見真修(ましゅう)と出会い、ひょんなことから毎週金曜日の夜にサッカーの練習を見てあげることに。やがて二人はサッカーの練習を超えて交流するようになり、互いへの気持ちが募っていく・・・

 

物語は、二人が出会ってからの4年間を描いています。(真修がどんどんイケメンになっていきます笑)

 

真修の方は途中から聡子に恋愛感情を抱いているので、てっきり二人がカップルになる結末かと思ったのですが、そうではありません。

 

作中では他人同士の大人と子供が一緒にいるということの社会的な難しさも描かれていて、そもそもカップルになることのハードルが高いせいもあるんですが、何よりも主人公の聡子に恋愛感情があまりないようです。

原因は、聡子の両親がお互いに不倫をしていて、そのせいで聡子は家族の中で「ひとりになった」から。

引用元:私の少年 9巻

 

なので、真修は中盤で聡子に告白をしますが成就はしません。それでも、互いにそばにいたい気持ちはあり、「付き合う」はありませんが、カフェやファミレスで一緒にただ互いに自分の作業をするような、自然な関係が続いていきます。

 

互いへの「すき」という気持ちは強くあるものの、それは恋愛感情にとどまらない。

ただそれは周りには理解されず、時には周りを傷つけることもあるー。

 

理由こそ違えど「恋が怖い」気持ちや「恋愛関係じゃないけどそばにいる難しさ」のわかりみが個人的に強すぎて、ラストは一気に読んでしまいました。(聡子の妹まゆにも色々と救われましたTT)

 

恋人同士じゃないと一緒にいづらい風潮って、ありません?

ちょっと話は逸れると思うんですけど、個人的に大好きな女友達がいて、でもその子には彼氏がいて。

結局その子が最後に帰るのは彼氏のところじゃないですか。そして彼氏は結婚すると家族になって、その子と人生を共にする権利が与えられるじゃないですか。

私だってその彼氏と同じくらいその子のことが好きで一緒にいたいのに・・・笑

(その子が実際に結婚してしまったので嬉しい気持ちとなんともいえないモヤモヤに苦しんでいます・・・)

女友達の彼氏に嫉妬することが、個人的に結構あります。

 

すき、という感情は恋愛感情だけにとどまらないはずなのに!

 

聡子と真修はそのジレンマを乗り越えて、二人のあり方で一緒にいようとする姿が尊くて、もう・・・うう・・(号泣)・・・その姿に勇気づけられました・・・

 

といったお話でした。

ちょっとネタバレしちゃいましたが、「私の少年」、アセクノンセク要素だけじゃなくとても深い物語ですので、ぜひ手に取って読んでほしい作品です。